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特集 運動療法
Ⅱ.中枢性麻痺に対する運動療法
C.中枢性麻痺の運動療法
脳性麻痺の機能的作業療法
Functional Occupational Therapy of CP
佐藤 剛
1
,
戸島 万里子
2
Tsuyoshi SATO
1
,
Mariko TOSHIMA
2
1九州リハビリテーション大学校
2北九州市立足立学園
pp.991-1004
発行日 1976年12月15日
Published Date 1976/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101364
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はじめに
脳性麻痺(以下CPと略す)に限らず,中枢神経系の疾患は様々な症状を呈し,評価や訓練アプローチを非常に複雑にしている.それは脳の機能が末梢神経麻痺の如く単純ではなく,ひとつの損傷が他へ広範囲に影響を与える可能性が大であることと,子供の情緒や行動面への二次的影響が顕著に見られる故であろう.また,しかし治療を考えると,脳の可塑性(plasticity)の意義が重要であり,特に超早期リハビリテーションが叫ばれるのも,ここに理由があると思われる.最近,早期診断と訓練に対し,神経生理学的アプローチが実施され,従来のいわゆるconservative methodsより効果をみている.CPに対する機能的OTについては,この神経生理学を中心とする理論なしでは語れない.しかし“機能的”という言葉の定義は難しい.従来の保存的療法と対比させると“対象児をして,積極的かつアクティブに正常化(normalization)の方向へ回復かつ改善させようとする手段の活用”とでもなるのであろうか.とすればPre-Vocationalという観点も重要であろうが,とにかく,ここでは焦点を,“早期の神経生理学を基盤とした機能訓練”とし,ADL訓練も含めて検討することにする.
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