The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 8, Issue 12
(December 1974)
Japanese
English
展望
手の機能的作業療法の基礎―中枢性運動障害を中心に
Principles of Occupational Therapy for the Functional Recovery of the Hands in the Diseases of Central Nervous System
鎌倉 矩子
1
Noriko KAMAKURA
1
1東京都老人総合研究所障害研究室
pp.729-733
発行日 1974年12月15日
Published Date 1974/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100932
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身体障害に対する機能的作業療法の役割については,ひとによりイメージの違いがある.私は,機能的作業療法の目的は,その人に必要な「物を扱う行為」の増強・(再)学習・確認であると考えたい.このために,系統的・段階的物体操作の体験をつみ重ねてゆくのが機能的作業療法の過程だといえないであろうか.物体操作は,多くわれわれの行為そのものであり,手先だけでなく全身を使うことも少なくない.また認知や行為企画の能力とも関係がある.しかし問題を「手」に限って,その障害治療的側面をとりあげるのがこの文の目的である.
運動障害に対しては,動作要素(筋力,可動域,耐久力)の改善と,動作パターンの改善(動作の再学習)の2面がある.前者は他の成書にゆずりここでは後者をとりあげる.また,外的手段による補充や矯正(義肢,スプリント,自助具),代償動作の訓練,綜合的応用実施訓練(ADL,前職業訓練,趣味活動)も重要なものであるが,これも他にゆずることにする.
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