Japanese
English
実践講座 臨床評価のピットフォール・3
脳卒中機能障害
Stroke impairment.
補永 薫
1
Kaoru Honaga
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
包括的評価法
,
Fugl-Meyer Assessment
,
Stroke Impairment Assessment Set
,
Japan Stroke Scale
,
NIH Stroke Scale
Keyword:
包括的評価法
,
Fugl-Meyer Assessment
,
Stroke Impairment Assessment Set
,
Japan Stroke Scale
,
NIH Stroke Scale
pp.1057-1061
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101893
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はじめに
脳卒中は多彩な徴候を呈し,その障害像は症例によって大きく異なる.そこに患者の社会的背景が加わると,同じ障害像を呈する患者はいないと言ってもよい.リハビリテーションは,患者の障害像に合わせて行われるため,障害像を正確に把握することはリハビリテーションアプローチの第一歩となる.しかし,一概に臨床評価といっても脳卒中後遺症は無数にあるため,症状により選択される評価法は異なる.
日常の診療や訓練において多彩な症状を漫然と評価することにより,いくつかの徴候を混同したり,代償動作などにとらわれて障害の本質を見抜けないといったピットフォールに陥ることがある.また,適切な評価尺度を用いなかったため患者の全体像を誤って把握してしまうこともある.こういった問題点は適切なリハビリテーションアプローチの選択を阻害するばかりか,転帰先や環境設定を検討するうえでも問題となる.
本稿では,脳卒中機能障害に対する評価スケールの特徴や陥りやすいピットフォールに関して概説する.
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