The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 10, Issue 10
(October 1976)
Japanese
English
特集 職業的リハビリテーション
両上肢切断者の職業復帰
Vocational Rehabilitation for Bilateral Amputation of the Upper Extremity
古川 宏
1
,
寺沢 節子
2
Hiroshi FURUKAWA
1
,
Setsuko TERASAWA
2
1都心身障害者福祉センター肢体不自由科
2都心身障害者福祉センター職能科
pp.749-754
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101316
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Ⅰ.はじめに
一般に両上肢切断者のリハビリテーションは非常に時間がかかり,職業生活をすることは多くの困難をかかえている.さらに最近の長期にわたる不況で雇用面では失業率の増加,新規学卒者の採用中止等の厳しい状況がある.その中でわずかに身体障害者雇用促進法の改正等で法的に身障者が雇用される可能性が生まれつつあるものの両上肢切断という重度なケースの職業復帰はいぜんとして難かしいことには変わりはない.それは,1)日常生活動作(ADL)能力が低いこと,2)作業遂行能力が著しく低い,という両面のハンディがあるからである.
センターでは週1回義手の判定と相談業務を行っているが,過去7年間に両上肢切断ケースは15例であった.その内訳を示すと表1の通りである.
義手は,両前腕切断十盲のケースを除き現在製作中も含め全ケースとも能動義手を作製している.
全ケース中,センター来所時に既に職業を持っているもの5例,受傷後長期間職業を持っていたが現在無職1例,現在職業訓練中(語学ガイド)1例は義手作製と自助具相談.作製で一応終了している.以上7例の内訳は表2の通りで長年にわたり本人及び家族が非常な努力を続け,なおかつ,周囲の理解と環境によって職業を得ていることがうかがわれる.
今回は前述した7例と切断直後で入院中のケースを除き,OTおよび職能訓練を行った5例についての経験をまとめる.対象は表3の通りである.
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