Japanese
English
特集 切断
両上肢切断者を扱ってみて
Through the experience with bi-lateral upper extremity amputy
関 美佐子
1
,
高梨 美和子
1
Misako SEKI
1
,
Miwako TAKANASHI
1
1中央鉄道病院リハビリテーション部
pp.257-260
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100815
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はじめに
どんな精密な機械よりも優っていると言われている手の機能を正確に代償するものは,周知のごとく,残念ながら現在のところ開発されていない.手の機能を大きくわけてみると,運動機能と感覚機能に分けられるが,感覚機能に関しては,実用的な代償物は,まったくない.運動機能に関しては,頭に思いうかぶだけでも,圧すこと,物を下げること,つかむこと,つまむこと,にぎること,しゃくうことなどがある.現在実用化されている義手は,この機能の一部分をある程度代償しているにすぎない.例えば,現在多く使用されている拇指の外転機能をもった装飾用機能義手一つをとっても,目的物の大きさ,形状,重量,材質すべてにわたって制限がある.このような制限を持った義手ではあるが,その機能を最大に利用したと思われる一症例を経験したので紹介する.
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