Japanese
English
特集 難病
筋萎縮性側索硬化症
Amyotrophic lateral sclerosis
長野 泰甫
1
,
椿 忠雄
1
Yasuho NAGANO
1
,
Tadao TSUBAKI
1
1新潟大学脳研究所神経内科
pp.670-672
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101295
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Ⅰ.はじめに
筋萎縮性側索硬化症という病気(以下ALSと略す)は,二,三の例外を除いて,世界のあらゆる地域で,人口10万人に対し,数人の有病率をもつ神経疾患の中でも,比較的稀な疾患である.しかし,この稀な病気が,これまで多くの神経学者の注目を引き,今なお,たゆまぬ研究がなされている裏には,次に示す三つの理由がある.①この疾患が,系統的神経変性疾患の中でも代表的なものであること.②成人が罹患し,ほとんどすべての患者が進行性に悪化し,数年で死亡する難病中の難病であること.③意識が最後まで清明なので,その悲惨さは,筆舌に尽しがたいこと.残念ながら,現在もなお,ALSの原因は不明であり,適切な治療法はみつかっていない.本稿では,この疾患の概略およびALS患者に接する場合に焦点を合わせて記してみたい.なお,文中の表は,厚生省特定疾患筋萎縮性側索硬化症調査研究班により得られたデーターから引用した.
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