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講座
運動学シリーズⅣ 股関節の運動学(2)
The movement of the hip joint (part 2)
谷岡 淳
1
Jun TANIOKA
1
1自治医科大学リハビリテーション部
pp.527-531
発行日 1976年7月15日
Published Date 1976/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101254
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股関節に注目すると,移動するという能力いかんが日常生活動作における最大の関心事である.そして,この移動動作は股関節を構成する骨格に作用する筋力の発生如何にかかっている,とも言える.更に,筋力の発生とか重力,靭帯の張力の問題等が関節に対しては外的および内的影響を及ぼしているのも事実である.一般に,外的作用源external effectは関節に対して推力accelerationを生じせしめるし,内部でおこる影響変化internal effectとしては,逆に関節の緊張状態atate of strainを増大する傾向にある.
そして,これらの内外effectsのある部分は,関節の運動によってその発生機転を異にし,体重そのものも関係している.股関節外転筋群を例にとると,この筋群は各ステップ毎に躯幹の側方移動を減少decelerateするべく活動しており,これがとりもなおさず外転筋群のexternal effectであって,外転筋が収縮することによって大腿骨頭に圧ストレスを発生せしめる状態がinternal effectと言える.このようにメカニカルな側面から眺めると,股関節の安定性stabilityは回転にまつわる平衡rotary equilibriumが最大の問題となろう.
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