The Japanese Journal of Physical Therapy and Occupational Therapy
Volume 8, Issue 12
(December 1974)
Japanese
English
展望
手の機能障害に対する作業療法の理論―手,機能障害,作業療法
Theoretical Consideration of the Occupational Therapy for the Dysfunction of the Hand
長尾 龍郎
1
Tatsuro NAGAO
1
1九州労災病院リハビリテーション診療科
pp.717-726
発行日 1974年12月15日
Published Date 1974/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100931
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Ⅰ.まえおき
手の機能障害に対する作業療法は機能的作業療法の領域において,主要な地位を占めている.本テーマに関しては,種々のアプローチの仕方があろうと思われるが,筆者は本テーマをkey wordに分け,話の方向づけをしたい.
まず,「手」のとらえ方であるが,手を手関節より末梢でなく中枢神経の制御機能を含む全体として取扱う.更にリハビリテーションの立場から,「機能障害」は単なる形態や計測上の偏異にとどまらず,日常生活動作(ADL)と関連させて考えたい.また,「作業療法の理論」については,「医学の理論」と同様,数学の理論というような実体はなく,図1に示すような医学と作業(Activity)にまたがる基本的な知識ということになろう.しかしこれらのすべてをふれる訳にもいかず,作業療法士諸兄が日頃の障害手に対する治療のヒントが少しでも得られたらということを願いつつ,「手」の問題及びそれに対する作業療法のプロセスにおける論理を考えてみようと思う.
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