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本の紹介/「看護のなかの人間」―大段智亮著
寺山 久美子
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1都立心身障害者福祉センター
pp.629
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100691
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1.著者について
この著者には,この本の他に,「病気の中の人間――医療の人間学序説――」(創元医学新書,昭和33年初版),及び「人間の看護―現代看護の人間学序説」)「創元医学新書,昭和43年初版)の主要著書がある.この間,一貫して把まえて離さないものは「医療における人間」であり,患者であり,医師であり,看護婦である.
医者や,その他の医療専門家でない著者が,どうしてかくも長く深く,このテーマと取り組んできたのか,私はその動機にまず大きな興味を持った.第1に病人としての体験が長いという.20歳の時から12年間肺結核に罹り,前後5回,6年間の入院生活の経験者である.したがって,「医学の専門家ではないが,病人の導門家」であって,このことが「医療における人間の問題」に入りこむ最大の原因であったと自ら語っている.
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