1さつの本
—大段 智亮 著—貴重な学習体験の基"看護のなかの人間"川島書店
小谷 玲子
1
1大阪府富田林保健所河内長野支所
pp.110-111
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205435
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昭和47年6月26日付の朝日新聞読書欄に,"すじの通った助力論"として掲載された書評に注目された方も多かったのではないだろうか。"看護人間学教室と名づけられた小人数の学習グループを,近年あちこちで主宰してきた経験に基づいて……現場のむんむんした空気が立ちこめていて書斎談義のむなしさから遠いのが印象的……病人の看護は著者の言う『助力論』の典型的なフィールドでなければならない。そこから展開される看護論,人と人との関係としての看護の諸相はたしかにこれまでのいわゆる看護学に大きく欠けていたところのもの……この看護論はそのまま移して医学論とすることもできる……著者は看護の現状に大きな不満をもち,現在の看護婦や保健婦のあり方に歯にきぬきせぬ言葉を投じ……その言葉の底には親愛と同情があふれていて……たよりがいのある味方をそこに発見するに相違ない"
たしかに著書を読みすすむにつれどうにかせねばという焦燥感にかりたてられる。特に看護人間学教室に一度ならず参加した者であれば,学習体験を目のあたりに想起されるであろう。
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