連載 買いたい新書
—大段智亮著—『人間理解』
高橋 幸枝
1
1東京大学医学部保健社会学教室
pp.396-397
発行日 1997年4月1日
Published Date 1997/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905328
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- 文献概要
自分の声を一度は自分の耳で聴いてみようわたしという人間理解はこれでよいか
人間理解という言葉自体はとりたてて目新しいものではない.援助,ケアを業とする者にとってはなおさらである.今や「援助」も「ケア」も,看護領域特有の専門用語とはいえない.福祉,教育,心理,保健etcさまざまな職種がそれぞれの専門領域のフィルター(これは理論・定説といってもいいかもしれない)と経験カンを通した視点で「人間理解」をして,「援助」「ケア」をしている(はずである,事実としてどうであるかはさておいて).
本書の著者は心理学のバックグラウンドを持ち,にもかかわらず,数ある人間相手の援助の中でも特に看護に目を向けていたが,1993年,長い闘病生活の末に67歳で他界した.
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