特集 脳卒中のリハビリテーション
Ⅰ リハビリテーション・プログラム
脳卒中患者のためのリハビリテーション・プログラム―いくつかの基本的問題について
上田 敏
1
1東大病院リハビリテーション部
pp.398-402
発行日 1971年11月9日
Published Date 1971/11/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100490
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はじめに―個人のためのプログラムと社会的なプログラム
プログラムとは番組(書),計画(表),(政党の)綱領などを意味し,リハビリテーション・プログラムとは,大きくはある国・地域全体の患者(障害者)に対するリハビリテーション的な対策のすべてをさし,小さくはひとりひとりの患者について,障害の発生(発病)から最終的なリハビリテーション(社会の中に有意義な座を占め,もてる力を発揮して生きられるようになる)までの方針・計画などの全体をさしている.
この2種のプログラムは,当然相互に関連し合っている.すなわち,個人のリハビリテーションは,その社会が提供するプログラムの枠の中で行なわれ,それに強く制約されるし,逆に国家・社会全体のプログラムといっても,それは結局個々の患者のもつニードを満たし,個々人のリハビリテーション・プログラムが,最も円滑に進行できることをめざして,作りあげられるはずのものである.
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