研究と報告
進行性筋ジストロフィー症の衣服
平尾 恵美子
1
,
岩波 君代
2
1東京都心身障害者福祉センター
2東京芸術大学生体機能研究室
pp.63-68
発行日 1971年2月9日
Published Date 1971/2/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100402
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はじめに
肢体不自由者の衣服一般に共通する,もろもろの考え方は,すでに諸文献において紹介されている.そこで次の段階として,更に細かく個々の疾患別に,その衣服の問題を堀り下げてゆく必要を感じていた.
今回は,まず,その初めとして,①更衣動作自立に対するニードが強いにもかかわらず,症状が進行すること,②特定の施設があり,典型的な症状および更衣動作の状態が把握しやすいこと,③比較的,知的レベルが保たれ,ケース自身の協力が得られやすいこと,を理由に,進行性筋ジストロフィー症(以下PMDと略す)を選び,病院および施設を対象に調査を行なってみた.その結果,一番の問題点とされたのが,トイレッティングに関連するズボンとパンツであった.そこで,1症例を取り上げ,それらの衣服製作の過程を通して,デザイナー,OT,おのおのの立場から考察を加えてみた.
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