Japanese
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特集 PT・OTと職業復帰
精神障害者のプリボケーショナルOT
The prevocational OT for the mentally handicapped
小平 憲子
1
Noriko ODAIRA
1
1国立武蔵療養所
pp.12-15
発行日 1970年2月9日
Published Date 1970/2/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100283
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はじめに
人にとっての仕事をすること,働くことの重要さ,価値に,誰ひとりとして疑いをもつ者はいないであろう.この点について,ここでは省くことにする.
プリボケーショナル・プログラムで一番重要な点は,リハビリテーションという観点での個々の障害者の方向づけを決める,あるいは決めた際に必要な準備過程である,と思う.何のためにその準備過程が必要かというと,その個人が障害を受け入れねばならなくなったということと,病院というかたよった人間社会にある期間いたということにより,精神的,身体的,社会的調整を必要とする.したがって,作業療法の過程での社会復帰直前のプログラムである.しかしその具体的な方法(プログラム自体)は,その個人の方向づけが何であるか―家庭へ帰るのか,工場へ復職するのか,事務関係の仕事をするのか,など―によって,種々さまざまである.
OTがプリボケーショナル・プログラムを担当するのに適している理由としては,OTは病気,症状,治療,予後,診断などに関する基礎知識をもっていると同時に,作業の特質,評価および治療的訓練に関して作業の使い方を理解している,などがあげられる.これらが,仕事をする態勢が精神・身体的にどの程度か評価し,訓練する場面の設定を容易にしている.
以下,ごく短い臨床経験中,数人のPV(プリボケーショナルの略語)プログラムを試みる際参考になった準備段階,精神科での特殊性について書いてみたい.
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