Japanese
English
特集 ADLとQOL
精神障害者におけるQOL
Quality of Life of Mental Patients.
中村 光夫
1
,
早原 敏之
2
Mitsuo Nakamura
1
,
Toshiyuki Hayabara
2
1香川医科大学精神神経医学講座
2国立療養所南岡山病院臨床研究部
1Department of Neuropsychiatry, Kagawa Medical School
2Clinical Research Institute, National Sanatorium, Minami Okayama Hospital
キーワード:
Quality of Life
,
精神障害者
,
主観的QOL指標
,
客観的QOL指標
,
社会復帰プログラム
Keyword:
Quality of Life
,
精神障害者
,
主観的QOL指標
,
客観的QOL指標
,
社会復帰プログラム
pp.923-927
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107482
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はじめに
Quality of Life(以下,QOLと略す)は近年幅広く解釈され,生命の充実感,生活の満足感,人生の達成感などが質量ともに充足した状態,そのためのプロセス1)と考えられている.またQOLは,患者を全人的な立場から捉え,社会心理学的な側面からも評価し,治療法やケアの有用性を決めるための重要な基準でもある2).しかし,その概念は主観的,多角的であるため,明確に規定することは容易ではなく,客観的評価をするには困難な点がある.
こうしたQOLの概念を精神障害の臨床にも適応した取り組みは,アメリカでは以前から行われてきたが,本邦では残念ながら大きく遅れているといわざるをえない.本邦の精神障害者の多くは大部屋というプライバシーに乏しい空間で,それも閉鎖病棟という自由を拘束された環境へ長期に入院することにより社会と隔絶された生活を余儀なくされている.しかし,こうした現状への反省より,新しいアプローチが行われつつあるところであろう.
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