増刊号 スポーツがもつ可能性—作業療法への期待
第7章 未来に向けた展望
2 障害者スポーツにおけるOTへの期待
上 梓
1
Azusa Kami
1
1日本作業療法士協会
pp.936-940
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201819
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はじめに
2017年度(平成29年度)日本作業療法士協会会員統計資料1)によると,2018年(平成30年)3月31日現在,会員5万7,960人の72.2%(休業中と非有効データの人数を除いて算出した領域別割合)が病院に勤務している.しかし,いわゆる公共に比較的広く知られている車いすバスケットボール,ブラインドサッカー等の「障害者スポーツ」種目は,時間的・環境的制約から多くのOTが所属する病院等の施設では実施することが難しく,病院等の限られたスペースと用具で実施できる種目があまり知られていないのも,OTが障害者スポーツにかかわるうえでの障壁の一つである.障害がある人にとっての運動・スポーツへの参加目的は,心身機能の維持・向上を目指すリハとして,運動・スポーツそのものをできるようになりたい等,その人の状況によってさまざまであるが,どのような目的・理由にしろ,運動そのものを好きになり,運動ができる環境が整うことが望ましい.
本稿では,「する」,「みる」,「ささえる」という視点から,OTによる障害者スポーツへの多様なかかわり方とその意義について考察し,OTの障害者スポーツへの具体的なかかわりとして障がい者スポーツ指導員資格や重度障害者のスポーツについても紹介する.
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