Nursing Study
精神障害者に対する認識
小松 順七
1
1福島県立会津若松総合病院精神科
pp.37-39
発行日 1960年11月15日
Published Date 1960/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911198
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科学の進歩により月にロケットが打ち上げられ最早宇宙旅行も夢ではなく,各家庭にはテレビ電気洗濯機,電気冷蔵庫などが広く利用されるようになり一応生活も安定し楽しまれている今日,同じ人間として生れながらも不幸にして精神病者となり,社会生活にも適応出来なくなり,病気によつては自分の家族の人達の顔も知る事が出来ず,普通人では全く経験する事の出来ない別世界にて生活し,政治からも実質的には全く忘れ去られている人達に毎日接していて,私は1人でも多くの人々にこれら不幸な精神障害者をもつと良く理解していただかなければと強く感じている。
精神病に対する治療看護は今改めて言う迄もなく,昔は病気としてでなく俗に気狂として,その治療には祈祷や拷問等が行なわれ,患者は鎖で縛られ残酷悲惨な取り扱いを受け,又入院する事の出来ない患者は座敷牢等に閉じ込められ,思うような食べ物すら与えられなかつた。
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