Japanese
English
特集 日常生活動作
ADLと理学療法
ADL and physical therapy
松沢 博
1
Matsuzawa Hiroshi
1
1神奈川県老人福祉事業団七沢病院
pp.17-21
発行日 1969年6月9日
Published Date 1969/6/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100217
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
日常生活動作訓練の目的は,その個人のもつ障害の範囲内で,職場や家庭での不可欠の日常動作に,自分の最大能力を発揮してそれを可能ならしめるために,患者を訓練することである.
理学療法における運動療法や,その他の方法による治療は,筋力・耐久力の増強,動作の協調性・巧緻性を高め,動作速度を速め,関節可動域の維持または改善を目的としている.理学療法の分野と関係する日常生活動作訓練とは,その結果得られた効果を,実際の生活の場で,実際の生活用具を用いての生活動作に反映させるための訓練であり,次のように分類される.
(1)ベッドあるいは床の上での動作
(2)車椅子での動作
(3)歩行および昇降動作
(4)身の回りの動作
(5)外出動作
これらの動作訓練を行なう場合,まず動作能力をテストすることから始めなければならない.そして評価に基づいた目標の設定と,訓練プログラムを作製しなければならない.これには,障害の程度,年齢,職業,家庭,労働条件をじゅうぶんに考慮しなくてはならない.
訓練過程においては,患者の生活環境や,身体条件を考えて,作業環境を変え,また適切な用具(device)を与えることも必要となろう.これは訓練過程において,一時期使用するものもあれば,永久に使用するものもある.こうして,日常生活動作がより多く,より楽にできるようにくふうしなければないない.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.