Japanese
English
実践講座 臨床評価のピットフォール・2
ADL
Clinical assessment of ADL.
岩﨑 紀子
1
Noriko Iwasaki
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
1Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
日常生活動作
,
評価
Keyword:
日常生活動作
,
評価
pp.957-963
発行日 2010年10月10日
Published Date 2010/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101872
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
ADLの概念
日常生活動作(activities of daily living;ADL)の概念は,1940年代にニューヨークのDeaver,Brownによって誕生し,その後,Rusk,Lawtonによって発展した.それまで「生命」の価値こそが唯一絶対的なものであった医学の世界に,ADLによって初めて「生活」の視点が導入されたと言ってよい.つまり,病気ではなく障害を対象とする新しい医学であるリハビリテーション医学の礎となる概念の一つがADLなのである.
日本リハビリテーション医学会は1976年にADLの概念を以下のように規定した.すなわち,「ADLは一人の人間が独立して生活するために基本的な,しかも各人ともに共通に繰り返される一連の身体的動作群をいう.この動作群は食事,排泄等の目的を持った各作業(目的動作)に分類され,各作業はさらにその目的を実施するための細目作業に分類される.リハビリテーションの過程や,ゴール決定に当たって,これらの動作は健常者と量的,質的に比較され記録される」.続けて「身体運動機能を伴わない他の独立した障害(精神,視力,聴力,言語等のみの障害)における日常生活動作あるいは生活機能に関する評価は別に考慮される必要がある」とし,さらに「交通機関の利用,家事動作等は日常生活関連動作というべきであろう」と日常生活関連動作(activities parallel to daily living;APDL)の概念を設け,ADLとは区別して用いることを提唱した.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.