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特集 精神医学領域のリハビリテーション
精神障害者に対する作業療法―その方法と実践について
Occupational therapy for mental patiens: its method and practice
浅海 捷司
1
Soji ASAUMI
1
1国立武蔵療養所医務部
pp.12-16
発行日 1968年4月9日
Published Date 1968/4/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100092
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はじめに
精神障害者に対する作業療法が,それらの入々のリハビリテーションの道程においてどんな役割をもつと期待されるか,または,その役割を効果的にするためにOTとして必要な方策は何か,このことは,精神科作業療法の実践者として,その仕事の意味を自覚し,評価する上で避けることのできない本質的な問題である.
“精神障害者のリハビリテーション”という表現が,この世界での合言葉のようにわれわれの日常の言葉になってきている.一つの危険は,それがあまりにもこの世界では日常的になりつつあるために,その言葉で表現しようとしている意味の違いのあることに気づかないでいる場合があることである.この意味の違いは,微妙なニュアンスとか,強調点の違いであることがほとんどであるが,作業療法の実践方法にはねかえってくる期待とか評価には,相当な違いとなってくる場合が多い。「精神障害」あるいは「精神障害者の社会復帰」に対する考え方の違い,作業療法に対する理解の差というようなことが,こうした考え方の違いとなって出てくるのではないであろうか.
精神科領域での作業療法においては,その場面の構成,方法論がさまざまに変容していくので,リハビリテーションがその実践面にどんな形でとりあげられ,また,OTの方法にそれがどんな要請をしてくるかを中心にここでは考えをすすめてみたいと思う.
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