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特集 精神医学領域のリハビリテーション
精神科医療におけるリハビリテーション
Rehabilitation in the care of the psychiatric patient
中久喜 雅文
1
Masafumi NAKAKUKI
1
1東京大学精神科病棟
pp.6-11
発行日 1968年4月9日
Published Date 1968/4/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100091
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Ⅰ.精神科におけるリハビリテーション
一般医学におけるリハビリテーションの主な目的は,後遺症をもった患者が社会の中で独立した生活をおくれるようにすることであり,疾患の回復過程において与えられる治療がリハビリテーションである.病気による後遺症がなければ,リハビリテーションの必要はない.たとえば肺炎その他急性感染症はきれいに治癒してしまう場合が多く,治ったあとはすぐ社会にもどって以前の活動を続けてゆくことができる.リハビリテーションが必要となるのは,後遺症を残す脳卒中とが肺結核などである.
精神科におけるリハビリテーションも同様であって,精神的後遣症を残す精神分裂病に対しては強力なリハビリテーションが必要であり,一方,急性症状がおさまると何の欠陥も残さず寛解註)する躁うつ病に対しては,それほど強力なリハビリテーションを必要としない.
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