Japanese
English
研究と報告
拒薬傾向ある精神障害者に対する与薬方法について
How to Medicate Psychiatric Patients with Drug Refusing Tendency.
武石 喜重朗
1
,
古賀 正子
1
,
政所 冨久子
1
K. Takeishi
1
,
M. Koga
1
,
F. Mandokoro
1
1福岡県立筑紫保養院
1Fukuoka Prefectural Chikushi-Hoyoin Mental Hospital
pp.927-929
発行日 1963年11月15日
Published Date 1963/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200637
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
最近の向精神薬の発展はいちじるしく,精神科の療法においては薬物療法に重点がおかれるようになつた。しかるに精神障害者に対する与薬については拒薬患者等いろいろと困難なことが多く見受けられる。すなわち薬物に対する被害妄想のある患者や新入院時の興奮その他により拒薬する患者または白痴状態により服薬させるのに困難な患者あるいは錠剤は一度口中に含んでのち,吐き出す患者など治療に看護に困つている場合がある。いままで薬をのまないからといつて放置したり,E. S. を行なつたり,無理して注射をするか,またはご飯に薬をふりかけて食べさせていたが,このような治療および与薬方法,または看護は精神障害者であるからといつてつづけるべきでなく,精神科であるからこそ患者にはつねに親身をもつてあたらねばならない。そのような考えのもとにわれわれは,拒薬患者には「お菓子のクスリ」として与えたらどんなものであろうかと考え製剤をこころみた。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.