特集 慢性関節リウマチのリハビリテーション
リウマチクリニックにおける臨床経験―整形外科的立場から
児玉 俊夫
1
,
平場 康一
1
,
楢崎 一良
2
1岡山大学整形外科
2川崎病院リウマチ科
pp.21-30
発行日 1967年5月9日
Published Date 1967/5/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100020
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まえがき
“Once a rheumatoid,always a rheumatoid”という諺があるが,一度び典型的な慢性関節リウマチに発展したものは,それから逃れて完全に治ることはむずかしいことを示している。しかし本病の多くの患者はしかるべき治療をうければ,その日常生活も,社会生活もかなりすることができる。そこにリハビリテーションの必要性がある。
私たちの教室では,その開設の昭和29年よりリウマチクリニックを設け,現在までに3,600名以上が登録されている。そして昭和30年より岡山リウマチ治療研究友の会を作った。本態も治療法もまだ確立されていない本病では,毎日の診断と治療は研究の連続だからである。医師と患者が一体となってこの難病と闘うという意味である。
昭和41年には岡山市川崎病院(総ベッド数800)にリウマチクリニックを設け,内科,整形外科の密な連絡の下にリウマチ患者を入院させ,専門的の検査と治療ができるようになった。
昭和40年には岡山市に日本で最初の県立重度身障者センター(岡南荘)ができ,重い機能障害をもった本病の患者の生活指導をしている。
本誌では私たちのこれらの経験を主として紹介したいと思う。
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