特集 副鼻腔炎の保存的治療の検討とその限界
小児副鼻腔炎の追跡調査
荒木 昭夫
1
,
川城 信子
1
1国立小児病院耳鼻咽喉科
pp.261-266
発行日 1987年4月20日
Published Date 1987/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210287
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I.はじめに
小児期の副鼻腔炎の病態は一般に複雑で多彩であり,また不安定で変動するところに特徴がある。したがって治療もこの点を考慮し保存的治療に重点が置かれている。多くの症例では加齢に伴い病状は変化し,成人期に達するころまでに治癒・軽快傾向をみるものが少なくない。しかし一方で大人の慢性副鼻腔炎の多くは小児期より移行するとされている。
近年とくに昭和40年以後のわが国の副鼻腔炎の病態,病像の変化が著しく,発生頻度の減少,病変の軽症化,好発年齢の低下などがその特徴として指摘されている。
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