特集 副鼻腔炎の保存的治療の検討とその限界
慢性副鼻腔炎の変貌とその保存的治療
佐々木 好久
1
1城西歯科大学耳鼻咽喉科
pp.257-260
発行日 1987年4月20日
Published Date 1987/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492210286
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I.はじめに
粘膜肥厚があって鼻閉を訴える患者の鼻腔内にXylocaineやBosminの噴霧や塗布を行い粘膜腫帳が減少すれば,患者は鼻閉の苦しみから開放される。粘稠な鼻漏も吸引や鼻洗浄で除去すれば,鼻腔通気度の改善に役立ら気分もすっきりする。抗生物質のネブライザーやプレッツ法も鼻・副鼻腔炎で多く使用されている。さらに上顎洞に膿貯留のあるときは上顎洞の穿刺,洗浄,抗生物質などの洞内注入が行われる。全身的に抗生物質,酵素剤,抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を投与することもある。こうした日常的な処置によって慢性副鼻腔炎はどのくらい改善されるのか。こうした治療法にどの程度期待してよいのか。またこの限界を何処に置いてよいのか。
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