鏡下咡語
Primary careと耳鼻咽喉科
折田 洋造
1
1川崎医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.560-561
発行日 1985年7月20日
Published Date 1985/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209988
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近年primary care(以下,PC)に関する論議が盛んになっているが,PCに対する考え方は各人各様でしかも曖昧なものでしかないように思われるので,PCに関心が深くよく御存知の方には申訳ないが最初にPCの概念を述べ,ついで耳鼻咽喉科との関係に言及したい。
PCなる言葉は1966年ごろから英国と米国で広く用いられるようになり,この言葉がわが国に紹介されたのは1972年以降であったが,的確な訳語がないためプライマリ・ケアとして通用している。しいて訳せば一次医療とか初期医療といわれ最も重要で根本的ないし基本的医療であるとされている。この解釈も人によりさまざまであるが,1976年米国のWashington, D. C. で開催されたNational Academy of Sciencesで専門家により発表されたPCの定義が最も有力で,これに統一される傾向にあるのでその概要を紹介する。
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