研究
Primary Health Careに関する指標の検討
福田 和子
1
,
権藤 理恵
1
,
古川 由紀子
1
,
松尾 理恵
1
,
秋吉 崇江
1
,
西村 和子
1
,
若松 詩織
1
1聖マリア学院短期大学専攻科地域看護学専攻・国際看護コース
pp.304-309
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901759
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要約 primary health care(PHC)は「Health for all in 2000」の目標を達成させるための対策として推奨されてきた。1978年のアルマ・アタ宣言以来再三にわたりPHCの必要性は述べられているが,その水準を測る指標の評価については,あまり議論がなされていない。そこで,単変量解析・多変量解析を行い,PHCの水準を測る指標の検討を行った。
PHCの水準を測る指標として,アルマ・アタ宣言および諸文献により18指標を抽出し,上記指標に関して,代表的な先進国10か国,中間国20か国,開発途上国20か国の計50か国の値を得て各指標について単変量解析・多変量解析を行った。
単変量解析から,①先進国・中間国では乳児死亡率が重要であるが,開発途上国では乳児死亡率と同様に5歳未満児死亡率が重要である,②合計特殊出生率と乳児死亡率は中間国・開発途上国において有意な相関を示したが,先進国では相関はなかった。また,開発途上国では多産多死の状況を,中間国では少産少死への移行傾向を示した,③一定の収入基準が経済状態のみならず保健・衛生状態にも影響を及ぼしPHCの水準の維持に関連していることが明らかになった。多変量解析では,主成分分析によるPHCに関する総合指標により,研究対象国は4つのグループ(先進国・中間国・開発途上国のアフリカおよびアジア)に分けられた。発展レベルが低く,保健・衛生状況が悪いアフリカ諸国でのPHCの充実が望まれる。
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