Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
近年,院内感染を初めとするHBウイルス感染が問題になることが多い。HB抗原陽性患者から医療従事者へという経路だけでなく,患者同志,あるいは,医療従事者から患者へという場合も考えておかねばならない。もし,医療従事者が患者への有力な感染源となるならば,事は重大な社会問題であり,ひいては係争の種にならぬとも限らない。
当科では約2カ年前より,入院あるいは手術患者に対して,ルチンにHBs抗原の有無を調べるように心がけ,院内感染を未然に防ぐように努力している。こうしているうちに,耳鼻咽喉科領域の患者には予想以上にHBs抗原陽性者が多いことに気がついた。今回,HBs抗原,抗体の保有率など疫学的な当科の現状とHBウイルスの感染対策について文献的考察を加えて報告する。
HBs-antigen and HBs-antibody were studied with radioimmunoassay method in 145 out of 425 patients in our division for two years, and the preventive measures against HB virus were discussed.
Positive rate of HBs-antigen and HBs-antibody was 10% and 34% , respectively. Exposure rate of HB virus was 44%. The most remarkable data was that 20% of patients with malignant neoplasmas and 10% of ones with bilateral chronic tonsillitis were positive to HBs-antigen.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.