臨床医のプライマリ・ケア カウンセリング
遺伝相談—primary careの立場から
本多 達雄
1
Tatsuo Honda
1
1新潟大学医療技術短期大学部
pp.463-467
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206631
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遺伝相談は「遺伝学者が行なうことが望ましい」とするのが一般的である。この考えはある程度正しく,とくにcounsellorが遺伝相談の経験に富み,人生経験が豊かである場合には,よい結果をきたすであろうことが大いに考えられる。なぜなら,遺伝相談にはprimary careと共通した考え方の底流があり,ベテランのcounsellorは十分にpri—mary care的役割を果たし得るものと考えられるからである。
primary careにおいて重要である総合性(com—prehensiveness)や継続性(continuity)の問題は,全く同様に遺伝相談の場でも極めて大きな意味を持っている。すなわち,clientに関連して,その生い立ち,家族構成,生活環境,年齢,性格,宗教などに代表されるhuman relationの基本をとらえずして遺伝相談は成立しないし,また遺伝相談後のfollow upは,その重要性がさけばれつつもその継続性の関係で難問視されているのが現状である。
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