特集 頸部腫脹の臨床
II.診断・治療
唾液腺腫脹
ガマ腫
湊川 徹
1
Toru Minatogawa
1
1兵庫医科大学耳鼻咽喉科
pp.807-811
発行日 1983年10月20日
Published Date 1983/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209676
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I.ガマ腫の特徴
1.定義
真性(狭義)のガマ腫は舌下腺または副舌下腺から発生し,多くの場合,口腔底の左右いずれかに偏在する表在性の青赤色あるいは暗赤色の薄い被膜を持つ半球状の境界比較的明瞭な嚢胞である。ガマの会圧胞(喉頭嚢)に似ているためにその名がある。ここで"狭義"とことわったのは,多くの成書や文献に述べられているガマ腫の定義が,必ずしも一致しておらず,顎下腺に由来する嚢胞や鰓原性嚢胞の一部で,同じ外観や所見を呈するものがあり,これらもガマ腫と解釈する考えがあるからである。ここでは狭義の立場から述べたい。
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