特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術マニュアル—私の方法
口腔・咽頭手術
1.ガマ腫の手術
小田 恂
1
1東邦大学医学部第1耳鼻咽喉科学教室
pp.69-71
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901462
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はじめに
口腔底に生じる嚢胞性疾患は,ガマ腫のほかに顎下腺嚢胞,類皮嚢胞,経表皮嚢胞,甲状腺舌管嚢胞などがあり,これらのなかでガマ腫は最も頻度が高い疾患である。ガマ腫(ラヌーラ,Ranula)という用語は嚢胞が大きくなったときにみられる口腔底部の腫脹がガマガエルの喉頭嚢に似ているところから用いられるようになった。
本疾患の本体は舌下腺の貯留嚢胞であるが,顎下腺関連の貯留嚢胞も少なくない。発生部位は口腔底前部で,左右いずれかに偏って生ずることが多い。発生原因については諸説があるが,舌下腺やその排泄管の炎症による排泄管の閉塞や狭窄が主因と考えられている。
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