特集 頸部腫脹の臨床
II.診断・治療
唾液腺腫脹
唾液腺腫瘍—悪性,良性
松村 祐二郎
1
,
野村 和
1
,
井上 定三
1
,
福与 和正
1
Yujiro Matsumura
1
,
Yasushi Nomura
1
,
Sadami Inoue
1
,
Kazumasa Fukuyo
1
1国立病院九州がんセンター頭頸部
pp.799-805
発行日 1983年10月20日
Published Date 1983/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209675
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I.はじめに
唾液腺は,大唾液腺すなわち耳下腺,顎下腺,舌下腺の3つと,口腔,咽頭に存在する小唾液腺よりなる。従って腫瘍もそれらの部位より発生するのであるが,発生頻度は部位によって異なる。耳下腺からの発生が悪性,良性ともに最も多く,次いで口腔内小唾液腺,顎下腺,舌下腺の順であるが,筆者らは舌下腺の真の腫瘍は経験したことがない。
唾液腺腫瘍は悪性でも経過が長いものが多いので,良性腫瘍と考え対処することがある。再発を繰り返して悪性の実態が明らかになり,肺転移をきたして後悔するようなことも少からず経験されるので注意を要する。
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