特集 耳鼻咽喉科と感染症
IV.感染症の諸問題
病巣感染
形浦 昭克
1
Akikatsu Kataura
1
1札幌医科大学耳鼻咽喉科学
pp.861-866
発行日 1980年10月20日
Published Date 1980/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209161
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I.はじめに
病巣感染の概念はPassler1)により確立されたといわれるが,古くて新しい今日的感染症の1つと考えられる。病巣感染症とは,Gutzeitら2,3)によると,身体のどこかに限局した慢性の感染炎症病巣(原病巣)があって,それ自体はほとんど無症状であるが,原病巣から離れた諸臓器に反応性に羅質的または機能的障害を惹起する病像をいうのだと定義されている。
その原病巣としての出現頻度は扁桃性のものが最も多く,次いで歯性がこれにつぎ,さらには副鼻腔によるものがあげられる。ここに扁桃性病巣感染症を中心に,日常臨床において経験される診断およびその効果における問題点について述べる。
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