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I.緒言
従来adenoid-tonsillectomyは局麻で行われてきた。しかし,最近子供では全麻にて手術される傾向にある。全麻は局麻に比較して,①ある程度の人員,特に麻酔医が必要,②一般的な全麻ではハロセンを使用するために出血量が増加する,③ハロセン使用時にはアドレナリン使用は禁忌または制限がある,④手術時間がかかる,⑤手術後の覚醒が完全でないと看護面で問題がある,⑥気道チューブ挿入による術後の喉頭浮腫の危険がある,⑦費用がかかり,大病院でも時間的に症例数が限られる,などのような欠点があり,まだ全般的に行われている状態ではない。しかし,手術時の患児への精神的・心理的影響,また,耳鼻科医として局麻時におけるショックの危険などを考慮すると,全麻の方が優れていることが多い。
当院においては1965年より,小児においては全例全麻にて手術を行っている。最近2年間は,一般的なG(笑気)O(酸素)F(ハロセン)にて導入,GOFにて維持する麻酔だけでなく,GOFにて導入,GO+筋弛緩剤に局麻併用にて維持するいわゆるJackson-Rees法をmodifyした麻酔法を実施した。そして,これらの2法の麻酔に関して手術所要時間,出血量,術後管理の問題について若干の知見を得たので報告する。
Intratracheal anesthesia has been performed for tonsillectomy and adenotomy in 75 cases by GOF and 86 cases by Jackson-Rees' method. Both anesthesic procedures have been studied and discussed mainly from the view points of operating time, bleeding amount and the postoperative care. It seems likely that Jackson-Rees'method is more excellent in regard to operating time and post-operative care than GOF method. However, there is no significant difference between them in regard to bleeding amount during the operation.
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