カラーグラフ 目でみる耳鼻咽喉科
側視型硬性ファイバースコープによる喉頭手術
小川 明
1
,
堤内 邦彦
1
,
高橋 早恵子
1
,
斎藤 洋三
1
1東京医科歯科大学耳鼻咽喉科
pp.740-741
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208960
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側視型ファイバースコープで得られる像は、間接喉頭鏡の像とは上下が逆になつている。これは,患者と向き合つて,そのまま喉頭をのぞき込んだと想定した場合の像と一致している。このことは喉頭鉗子の操作を非常に容易にすることに着眼して,外来での局麻下の喉頭手術に利用している。
患者を座位におき,喉頭を麻酔した後,永島医科器械製硬性ファイバースコープ(SFT-1型)(第1図)とフレンケル氏喉頭鉗子を用いて,間接喉頭鏡下の場合と同じく舌を十分に引き出させておいて,手術操作をおこなう(第2図)。間接喉頭鏡下の喉頭手術と比べて熟練を要さず、鉗子先端の移動が容易であるため,孤立性であれば,比較的微細な腫瘤も切除できる。最近では,全麻下に直達鏡挿入による喉頭微細手術をおこなうことが多くなつているが,適応を選べば,この方法によつて,患者の負担はより少なく治癒可能な例も多いと思われる。
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