技術解説
ファイバースコープ(その1)
竹本 忠良
1
1東京大学医学部中尾内科
pp.497-503
発行日 1966年8月25日
Published Date 1966/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112062
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Ⅰ.緒言
胃内視鏡の歴史はふるい.Kussmaulがはじめて胃内観察を試みたのが1868年であるから,胃内視鏡史はもうすぐ100年になろうとしている.胃内視鏡検査はたんに歴史がながいだけではなく,たえず成長し,飛躍してきた検査法であり,ことに胃カメラとファイバースコープの出現はこの検査法を一新させてしまった.しかし新らしい検査法は古い検査法が過去に蓄積した遺産をうけついだうえで新らしい技術的創造と結合し発展をとげてゆくことを忘れてはなるまい.
ファイバースコープによる直視下胃内観察は今や誰にでもできる容易な検査であって,名人芸を全く必要としないことはまづ強調しておかなければならないことと思う.このことは最近のファイバースコープの普及ぶりと,それによる数多くのすぐれた報告が次第に増しつつあることをみると容易に理解されよう.
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