薬剤
NLA変法の耳鼻咽喉科手術への応用
野々山 純
1
1済生会松阪病院耳鼻咽喉科
pp.673-676
発行日 1973年9月20日
Published Date 1973/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207965
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耳鼻咽喉科領域の手術でも最近は一般外科と同様,挿管による全身麻酔が多用されているが,中小病院や開業医における手術で頻度の高い鼻副鼻腔の手術や鼓室成形術では,その大部分が基礎麻酔と局麻の併用で行なわれているのが現状である。
また従来行なわれている基礎麻酔と局所麻酔の併用では,患者がかなりの疼痛を訴えることもあるし,また麻酔を強力に行なえば,血圧の低下や呼吸抑制覚醒の遅延などの欠点があつた。今回,私はNLAの変法として岩月ら1)が報告したDroperidol, Pentazocine併用(以下DおよびPと略す)を試み,耳鼻咽喉科手術における麻酔に満足できる結果を得た。本法は静脈麻酔であるために操作が簡便であり,呼吸系,循環系に対する影響も少なく安全であるし,患者への手術時の不安や苦痛もなく意識下のうちに手術が行なえるので日常臨床上,耳鼻咽喉科麻酔として適していると思われる。よつてその使用方法と臨床成績を報告する。
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