薬剤
耳鼻咽喉科領域におけるBenzydamine Hydrochloride(Riripen)の使用経験
五十嵐 博之
1
1鶴岡市市立荘内病院耳鼻咽喉科
pp.407-410
発行日 1968年5月20日
Published Date 1968/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203955
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I.はじめに
非ステロイド性消炎剤は単に全身性炎症疾患のみでなく,感染性炎症や手術後,外傷性の炎症症状のほか,きわめて広範囲の疾患に使用されている。鎮痛,抗炎症作用は薬理学的にも確認されており,臨床上の適応領域は現状では次のごときものがあげられているが,さらに種々の疾患に有効であることが判明し,使用されつつある。
1)外傷後疼痛,術後の疼痛および浮腫。
2)膀胱炎および他の尿路の炎症性疾患。
3)生殖器管の炎症:婦人科領域(子宮付属器炎,子宮内膜炎など),泌尿器系の炎症(睾丸,副睾丸炎など)
4)呼吸器系の炎症(鼻腔・副鼻腔の炎症,咽喉頭炎)
5)歯髄炎,歯槽炎,歯周囲炎などによる歯痛。
6)放射線療法(赤外線放射線など)による粘膜炎,皮膚炎またendotoxin,ウイルスによる実験的肺炎を阻止するという特殊な性質をもつており,既存鎮痛,抗炎症剤中で特異な位置をしめている。
気道の炎症性疾患では,症状が上気道および下気道のカタル性粘膜炎に関連している場合に最大の治療効果があるといわれている。
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