薬剤
咽・喉頭の数種炎症性疾患に対するBenzydamine hydrcchloride(Riripen)の使用経験
馬場 駿吉
1
1名古屋市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.251-254
発行日 1968年3月20日
Published Date 1968/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203930
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I.はじめに
細菌感染によつて生じた炎症に対する原因療法としては,抗生物資をはじめとする化学療法が第一義的であることは論をまたないが,一方炎症によつて生じた局所の組織反応をすみやかに修復せしめる薬剤の使用も臨床上必要なことが少なくない。近年開発された種々のステロイド剤はその抗炎症作用が各種炎症性疾患に応用され,卓効を奏することが広く知られてきたが,反面,種々の副作用や感染の助長,投与中止に際しての脱落症状の発現など,不快な短所をもつており,したがつて一般の炎症性疾患に対してはこの点に十分留意しながら投与することが必要である。
最近,このような副作用をもたない非ステロイド系消炎剤の研究がすすめられてきているが,今回私はイタリア・アンジェリー二社で開発されたBenzydamine hydrochloride(Riripen)を第一製薬株式会社より提供を受け,咽喉頭の数種炎症性疾患に使用する機会を得たので,その成績について報告する。
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