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I.はじめに
耳鳴患者の耳鳴の大きさに関する訴えをきいてみると,その程度にはかなりの幅がある。たとえば耳鳴が非常に大きくて睡眠が妨げられる人もあれば,反対に耳鳴は極めて小さく,夜あるいは静かな場所で微かにきこえるのみで大して苦にならない人もある。また同一人でも耳鳴の大きさには時間的,あるいは時期的な変化のみられるものもある。
耳鳴の大きさは患者自身の変化(たとえば耳鳴の原因的疾患の変化あるいは患者の疲労など)と,患者をとりまく外界の変化たとえば騒音によつて絶えず変化すると考えられる。したがつて耳鳴の強さ(大きさ)を脳波のように電気生理学的に記録することができれば望ましいが,現在では無理である。しかしまた患者の訴えのみに頼つて耳鳴の大きさを決めるのもあまりにも無策である。したがつて耳鳴の大きさを検査によつて他覚的に(この際被検者の協力も必要であるが)測定記録しようとする試みが行なわれてきた。
The intensity of tinnitus aurium is obtained by means of employing masking and loudness balance methods with the following results:
(1) The intensity of tinnitus measured indirectly by masking method and directly by loudness balance method seem to agree each with the other. The majority of intensities ranged from 0 db to 5 db which constituted about 40% of the total number, 10 db to 15 db, about 30% and those ranging above 20 db were found very few in number.
(2) There seemed to be no relation between the intensity of tinnitus and the number of cycles.
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