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Ⅰ.はじめに
耳鳴に対して行なわれた治療の効果を判定する方法は大きく二つに分けられる。一つは耳鳴患者の大きさに関する訴えを注意深くきいて判定する方法であり,他の一つは耳鳴の大きさを測定し,その大きさの変化から判定する方法である。しかし最近10年余りの間に本邦で発表された耳鳴の治療に関する文献を捗猟するに,そのほとんどが前者の方法をとつており,後者の方法をもとりいれているのは井立と著者の2人に過ぎなかつた。純音audiometryが今日日常臨床にとりいれられるようになつたごとく,耳鳴検査も近い将来そうなることが望ましい。実際健康保険において精密聴力検査の点数を請求するためには耳鳴検査を行なうことも一つの条件になつている。耳鳴検査の細目についてはなお検討すべき問題が数多く残されているが,これが耳鳴の治療効果を他覚的に記録にとどめておける現在においては最良の方法と考えられるので著者の考え方を述べることにした。
An attempt to determine whether or not the subjective changes that may be derived in the amount of tinnitus aurium following treatment will proportionately agree with the objective test, tinnitus audiogram using the masking method, was made from 4 different points of view.
A 100% agreement in these two results was not obtainable, but, there were more cases which categorically belonged to those agreeing proportionately than as not.
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