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Ⅰ.緒言
ことばの発達が遅れているという理由で聴力障害の有無の検査を依頼されることが多くなつた。障害児は通常の検査に乗りにくいことが多いので,他覚的な検査,すなわち機械を用いる検査に頼る傾向があるように思われる。しかし聴力があるという判定は,被検者がきこえたことを意識することが条件である。障害児の聴力検査でも,検者が被検者に直接応待し,充分なラポートをつけその間に検査を進めていくことによつて1)2)3),他覚的検査に依存する例を少なくすることができるであろう。このような検査方法は時間がかかるので,耳鼻科の外来で行なうには多くの困難があると思うが,正しい聴力を知ることが大切であるので,そのように努力すべきであろう。ここに述べる素朴な検査方法にはとくに新しい方法があるわけではないが,われわれが行なつている検査の状況を記述し御参考に供したい。幼児の場合は聴力検査の結果を誤ると,その児の将来に大きな影響を及ぼすからである。
In cases where measurement of hearing is called for in children with communication disorders, there seems to be tendency of relying upon some objective means, such as EEG audiometry. The result of such a method is as often erroneous as not. It is highly preferable that ample time be allotted for this test for the examiner to be in a good rapport with the individual under test, making a close behavioral observation, and, then, carrying out the standard audiometry as much as possible.
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