薬剤
耳鼻咽喉科領域感染症に対するLincocin(Lincomycin)の臨床効果
岩沢 武彦
1
1札幌逓信病院耳鼻咽喉科
pp.889-897
発行日 1967年8月20日
Published Date 1967/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203812
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Ⅰ.緒言
上気道感染症とりわけ耳鼻咽喉科領域疾患から検出される病原菌には,比較的ブドウ球菌,溶血性レンサ球菌,肺炎双球菌などを主体とするGram陽性球菌群が多く分離されている。これら病原細菌は,Penicillinを始めとする各種の抗生物質の普及発展にともないしだいに高度耐性もしくは薬剤間の交叉耐性化を示す傾向が認められ,これらの対策,予防が化学療法上の大きな課題の一つともなつている。
抗生物質研究の動向は,最近耐性ブドウ球菌や緑膿菌を始めとするGram陰性桿菌による難治な感染症に対応して合成Cephalosporin C,KasugamycinあるいはGentamicin Sulfateなどの新しい抗生物質が相ついで発見され感染症治療に強力な武器として登場し臨床効果が期待されつつある。
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