薬剤
頭位変化時に見られる眼振の治療—ATP(アデホスコーワ)の使用経験
五島 一吉
1
,
村主 好弘
1
1東京逓信病院耳鼻咽喉科
pp.879-886
発行日 1967年8月20日
Published Date 1967/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203811
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I.はじめに
頭,頸および身体の位置をいろいろに変えるとメマイや眼振が現われることがあり,頭位眩暈とか頭位眼振と呼ばれている。
この現象は1913年Barany6)により始めて発表されて以来,数多くの類似した症例の報告がある9)36)39)40)46)。1952年Dix & Hallpikeは頭位眩暈や頭位眼振を主症状とする疾患をPositionalNystagmus of the Benign Paroxysmal Typeとして発表した13)15)。以来本疾患の詳細な分類や病因,病変の部位については幾多の報告も見られるが多くの要因が関与しているため未だ不明の点も多い8)19)22)24)34)45)47)48)49)50)54)。
最近著者らは頭部外傷後に発現した類似症例を経験し,薬物療法により完全に治癒したので報告する。あわせて頭位変化時に見られるメマイおよび眼振の検査法,およびその治療法について若干の考察を加えてみたいと思う。
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