薬剤
耳鼻咽喉科領域急性感染症に対する塩酸Methacycline(Rondomycin)の臨床的検討
岩沢 武彦
1
1札幌逓信病院耳鼻咽喉科
pp.1007-1018
発行日 1967年9月20日
Published Date 1967/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203827
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Ⅰ.緒言
感染症に対するBroad spectrum antibioticsは,すでにPenicillin,Macrolide系,ChloramphenicolおよびTetracycline系などの諸種の強力な抗菌効果を有する広範囲抗生物質の相つぐ出現で感染症治療にきわめて大きな役割を果してきたことは周知のとおりである。
とりわけTetracycline系抗生物質の研究発展は,最初Duggerら(1948)によりStreptomycesaureofaciensの培養炉液からChlortetracyclineが見出され,ついでFinlayら(1950)によりStreptomyces rimosusよりOxytetracycline(Terramycin)の出現をみ,さらにStaphensら(1952)がTetracyclineを発見した。これらTetracycline系抗生物質は,今日なお抗菌効果,血中濃度維持,安定性および副作用などの諸点から感染症治療におけるすぐれた広域抗菌性物質としてその有用価値がいぜん高く評価されている。
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