薬剤
緑膿菌性中耳炎に対するKasugamycinの局所的使用効果
岩沢 武彦
1
1札幌逓信病院耳鼻咽喉科
pp.647-655
発行日 1967年6月20日
Published Date 1967/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203790
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅰ.緒言
外科領域感染病巣ことに手術後創からは,最近耐性ブドウ球菌の他にGram陰性桿菌に属する緑膿菌,変形菌,大腸菌,肺炎桿菌などのいわゆる従来弱毒桿菌と称せられていた細菌の検出率が逐年ごとに高頻度に報告され化学療法上問題視されるにいたつた。
とりわけ緑膿菌感染多発の原因には,広域抗生物質乱用による菌交代現象,ステロイド剤,抗癌剤の使用,放射線照射療法,臨床検査器具の頻用,手術的侵襲,未熟児,重篤疾患などの諸因子と,さらに生体host側の緑膿菌感染に対する感受性上昇などが大きく影響を与えているものと考えられる。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.