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Otolaryngology Volume 38, Issue 11 （November 1966）

耳鼻咽喉科 38巻11号（1966年11月発行）

Japanese English

薬剤

慢性副鼻腔炎に対するナシビンの使用経験 AN EXPERIENCE IN USE OF NASIBIN IN TREATMENT OF CHRONIC SINUSITIS 田中稔 ¹ Minoru Tanaka ¹ ¹八幡製鉄所病院大蔵診療所耳鼻科 pp.1205-1208

発行日 1966年11月20日 Published Date 1966/11/20

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203692

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Abstract 文献概要
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　Ⅰ．緒言

　従来，局所血管収縮剤としてアドレナリンが長期間にわたつて用いられたが，10年前よりナーベル，プリビナ，ネオシネジンなどアドレナリン同様の薬理作用を有し，しかもアドレナリンより優れた局所血管収縮剤が発見されて今日まで用いられているが，これらの薬剤もやはり，多少とも使用後における反応性充血また作用持続時間あるいは粘膜に対する刺激，習慣性，副作用などの諸点において不満足であつたが，本年7月中外製薬より多量のナシビンを試供品として提供されたので7月20日より11月1目までに36例の慢性副鼻腔炎患者に30日あるいはそれ以上使用して興味ある成績を得たので報告する。

　ナシビンは，1ml中に下記のような成分を含む点鼻，点眼用の滅菌水溶液である。

The author employed nasibin in treatment of 36 cases of chronic sinusitis with favora-ble results. Excluded from this treatment were cases of nasal polyposis, hypertrophic turbi-nates and such condition as causing a marked swelling in the middle meatus. The agent was administered by inhalation apparatus as an office treatment, once a day for period of 30 days of more.