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Ⅰ.はじめに
慢性副鼻腔炎は耳鼻咽喉科領域疾患のうちではもつとも治療の厄介なものの1つである。治療法としてもつぱら手術的療法にゆだねられた時代もあつたが,化学療法剤など薬物の進歩,さらに副鼻腔粘膜機能の解明とともにless radical surgeryの考え方が次第に強くなり,これに伴つて手術的療法と保存的療法の適応や限界の問題があらためて検討されるようになり,保存的療法が再認識されるに至つた。
保存的療法についてみると,慢性副鼻腔炎の化学療法の研究からその限界が明かにされ,これに抗ヒスタミン剤や副腎皮質ホルモンなどが併用されるようになり,あるいはこれらの単独治療が試みられ,鼻副鼻腔の粘膜病変に対し副腎皮質ホルモンの局所使用が好結果を齎すことも認められている。しかしながら慢性副鼻腔炎の保存的療法の問題点のつ1は副鼻腔内の壊死物質ないし分泌物の存在である。この貯溜物質は異物性炎を惹起して慢性副鼻腔炎治癒の大きな障害となつていることは明かである。
For treatment of acute and chronic sinusitis alphapsin-buccal was administered in dosage of 3 to 4 tablets a day orally. In 29 cases including cases of acute sinusitis among children and adults the agent appeared to be highly effective. However, from the standpoint of the changes in the amount of nasal discharge the effect was rather indefinite.
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