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薬剤
耳鼻咽喉科手術における静注用止血剤プレマリンの使用経験
THE EFFECT OF INTRAVENOUS USE OF PREMARIN FOR HEMOSTASIS IN THE OPERATIONS IN THE FIELD OF OTOLARYNGOLOGY
山田 文則
1
Fuminori Yamada
1
1日本鉱業K. K. 日立中央綜合病院耳鼻科
pp.1231-1233
発行日 1965年12月20日
Published Date 1965/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203530
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Ⅰ.緒言
耳鼻咽喉科領域に於てはその解剖学的特殊性のために,狭い,深い,暗い術野の徴細な技術を要する手術が多い。またその部位に分布する血管は複雑豊富であり,骨出血,実質性出血等のため出血部位の確認や止血困難の場合が少なくない。もし満足な止血が行なわれれば,手術操作を容易となし,術後の経過を良化させるであらう事は明白である。以上の理由により耳鼻科では各種の作用機序をもつ止血剤が発表され,使用されて来たが必ずしも十分なる効果をあげていない。
正常の血液凝固機構は血管内の一連の反応によるものである。Ca++とトロンボプラスチンの存在下に於て,プロトロンビンがトロンビンになり,フィブリノーゲンからフィブリンを形成するのを促進する事により凝固が行なわれる。第1図はこの血液凝固機序を示す模式図である。プロトロンビンからトロンビンへの最初の転化は血液凝因の第V因子である。
By intravenous administration of premarin preoperatively, the author experienced a ma-rked decrease in the amount of bleeding during radical procedure on the paranasal sinuses and no postoperative bleeding. The use of the agent was eventful in causing shortening of the bleeding and coagulation times. No side effect was noted.
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