今月の臨床 ホルモン療法のピットフォール—あなたの方法は間違っていませんか
月経異常の治療
3.機能性出血にプレマリン静注は
石原 理
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
pp.124-125
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903913
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機能性出血は,妊娠や器質的な病変が明らかでない子宮内膜からの異常出血を総称する病態である(表1).しかし実質的には,卵胞発育や排卵の異常にともない卵巣における性ステロイドホルモン産生が十分でないために起こる子宮内膜からの異常出血と考えてよい.したがって,排卵障害のある症例以外に,思春期から性成熟期,あるいは性成熟期から更年期への移行時期にみられることが多い.また,内分泌的にみると,少量のエストロゲンが持続的に存在することに起因する場合(破綻出血estrogen break-through bleeding)と,エストロゲンが何らかの理由で低下することに起因する場合(消退出血estrogen withdrawalbleeding)に分類される.
いずれの場合も,その治療は原則としてホルモン療法となるが,薬剤や投与量,投与法の選択が適切でないと十分な治療効果が得られないこととなる.
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